日曜日。昼から自転車で15分、シネ・ヌーヴォへ。金秀吉監督「君は裸足の神を見たか」をみてきた。秋田の情緒ある街並みと深い雪、単線列車。30年前の日本の景色の中に今も変わらないカリモクのソファとローテーブル、日清の小麦粉、そして出川哲朗(横浜放送映画学院卒!)のデビュー作でもある。すでにあの上滑りするような軽薄さを備えているのが面白いが、存在感のある端役としてだけでなく制作進行のクレジットもされていることが意外な発見。この古典的な青春映画は、横浜放送映画学院が日本映画学校になる記念に作られたという背景もあってか、すごく基本に忠実な生真面目なものにも写る。当時、監督はまだ20代前半。上映後のトークではフィルムで観れたことに喜ばれていたところまでは映画の印象を受け継いだものだったけれど、ここからの話しぶりはとても饒舌に脱線を繰り返し、撮影時のエピソードを語る様はまるで大阪の漫才師!。洞口依子の若い色気は伊丹十三のタンポポでも牡蠣を食べさせるシーンで継続していたことも知る。