職場を1時間早退しビルボード大阪へ。小西康陽ことPIZZICATO ONEのライブは、たぶん最初で最後であろうメンバーとのライブレコーディング。シャイだけど主張の強い音楽家の声がやけに生々しく響いていた。ステージでの振る舞いは歌詞を間違えないように気をつけているのか、終始うつむき気味に歌う様子はややぎこちない。バックのメンバーの演奏は、音の響きをいかした歌心あふれる繊細なもの。普段レコーディングで付き合いのあるメンバーとはいえ、この日の関係性はいつもとは違うものなのだろう。いやほんとうにすいませんありがとうございます。というような謙虚さを勝手に想像してしまいおもしろい。このバンドメンバーとの信頼関係の厚さはなかなかのものである。小西のボーカルはときにかくし芸以上の味わいをみせた。特に「また恋に落ちてしまった」では小西ボーカルでの再発見があった。
会場限定販売のデモテープの曲は細川ふみえに提供した1992年発表のスキスキスー。若い小西康陽のギター弾き語りは意外性があるだけでなく、違和感がなかった。昔からひそかに歌うことに意欲的だったのかもしれない。

バンドメンバー
・ ドラムス 有泉一
・ Wベース 河上修
・ ギター 田辺充邦
・ ヴィブラフォン 香取良彦
・ ピアノ 矢舟テツロー