大林宣彦監督の訃報 2020年4月10日

大林宣彦監督の訃報を知る。はじめてみた映画は「時をかける少女」だったか。そのときはあまりのめり込むことがなかったが、
2年前、シネ・ヌーヴォで組まれた大林宣彦監督特集でhouseをはじめ、名作の数々をまとめて観てからはすっかりファンになり、最新作の「花筐」では現役監督としての強烈な存在感に圧倒された。更新され続ける斬新な手法と発想。あのスケール感はフィルム時代からの実験的な自主映画作家としてのキャリアがいまも息づいていることの現れ。現在の映画として実装する技師の力量も高いのだろうこれほど特異な作家性を保ちながら大衆映画としてヒットさせる大林組の組織力も感じる。

シネ・ヌーヴォで行われた監督の誕生日祝では戦争への思いや映画への愛情を直接聞くこともできた。あの時間は忘れられない。

名古屋で買った「さびしんぼう(富田靖子)」の7インチを聴く。サヨナラあなたと出逢えて嬉しかった。この音程のずれた歌唱を採用して完成させたとき、この映画は永遠をものにした!