通天閣の近くにある新世界国際劇場で2017年の映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」を観る。映画よりも昭和の時代が濃密な映画館の印象が残る。二階席まである立派な劇場はかなり広く、日雇い労働者が宿代わりにするのも想像しやすい。地下はポルノ映画上映。ハッテン場としても有名なのは当然という感じ。上映中も人の出入りが激しかったし、振り返ると立ち見していた二人の男がお互いの股間を触っていた。こんな環境なので上映が終了するまで落ち着かない気持ちで過ごすことになった。映画どころではない。もういちどこの劇場で映画を観たいかといわれるとそれはないが、一度は体験できてよかった。劇場の感染症対策については念入りにされており、まず入り口でフェイスシールドをしたおばちゃんが非接触体温計による検温と除菌スプレーの準備がある。また劇場内の座席は強制的に間隔をあけるよう、折りたたみの座席がロープでしばってあった。

通天閣は大阪の象徴のように扱われることも多いけれど、新世界はなにか暗い影が落ちている。その雰囲気は日本橋あたりまで漂い、難波で薄まる。

メルカリに出品していたデザイン書が結構売れたので、気になっていたディーター ラムスの本を購入。Less and More: The Design Ethos of Dieter Rams