土曜日。また緊急事態宣言で今後の映画館の座席も少なくなるよう。夜シネ・ヌーヴォでロベール・ブレッソン監督「少女ムシェット」を観る。

南正人の訃報を知る。音楽をはじめて聞いたのは京都高野の居酒屋「まほろば」で。黒川修司のことを調べていたとき。数年前にライブがあったというので訪ねたのだった。食事をしながら店主に声をかけてみると、おもしろい話とやばめの話を沢山してくれて…この人はしゃべりすぎる人だ身近にいると注意しなくてはいけない、という気持ちにまでさせるサービス過剰で濃厚な時間だった。そのときに流れていた南正人の近作SONGS(2003年)。気になる声で店主に声をかけたのだった。

「ちょうどうちで昨日ライブがあったんだよ」と、告知チラシもくれた(チラシと言っても配布はしていないらしく、こんごのスケジュールが知りたければ、電話して(笑)とのこと)。その後、南正人の音源はレコードやCDで買い集めたが、そのスタイルは初期から完成されている。というか、デビュー前である京都・山崎宝寺「第3回フォーク・キャンプ・フェスティバル」 でさえ、すでに完成されたスタイルだったとは黒沢進が書いていた。

そんな南正人(和田さんにいわせると見た目はキューピーちゃん)のライブのチャンスはそのときが最初で最後のチャンスだった。合掌。