シネ・ヌーヴォで現代アートハウス入門第1夜。ビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき El espíritu de la colmena(1973年)」を観る。トークは濱口竜介、三宅唱、三浦哲哉。

この企画が始まる前から映画研究会をやっていた三人。作り手でありながら批評家でもあり、なにより映画を愛してやまないということがすぐに伝わってきて感動する。やっぱり来てよかった。ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちのようなシネフィルの真剣な60分のトーク。濱口監督は上映中寝てしまったというが、彼は寝ながら映画を見ることができる人。目が覚めて、覚醒した時間に見たものがよかったらそれでいいんです。わたしも寝ました。

学生時代、これと決めた特集上映に日参してはその晩、映画日記をつけたり、友人と朝まで長話をした。
そうやって何度も反芻したあの場面やあのカットに今でもふと救われたり、悩まされている。
三宅唱