旅行初日、朝からJR天満宮駅から中央線に乗って神戸へ出発(この沿線は梅田を経由せずに行けるのがうれしい)。摩耶で下車して、Jupiterで買い物。知らない街のロータリーに座り、パチンコ屋に出入りする人を見ながらビールを飲む。麻辣ピーナッツがおいしい。バスに乗って坂を登り、桜のトンネル前で下車。ちょうど満開を向かえており、海と神戸の街もよく見える。車の運転手もみとれてスマホ片手に運転中。
摩耶ケーブル駅では突然おばさんが会員証を貸してくれたので割引になった。車内の乗車率は4割程度。このケーブルで山に登るのは濱口竜介監督「ハッピーアワー」の最初のシーン。トンネルを抜け駅を降りたあと、あの4人が雨のなか弁当を食べていた摩耶山の東屋で記念撮影。サンテレビの摩耶山送信所もあった。昔、競馬中継を見ていたときに、青柴フックの声でサンテレビの名前はよく耳にした。さらにバスに乗り、ゴンドラにゆられ有馬へ。もう位置感覚がわからなくなってくるが山の上の山の中。歩いていると聞こえてくるのは、竹林が風に揺られて軋む音。

純和風の温泉宿、嵐翠へは夕方頃到着。あまり下調べをしなかったので過ごし方を決めていなかったが、さっそく温泉に入って食事をしたらそれだけでもう満足という、問答無用の行動様式デザインがなされていた。これが温泉宿かと納得。外に出歩こうという気にもならなかった。また、兵庫県が行っているキャンペーンで、旅館やこの地域で使える4000円分のクーポンも貰えたので、追加注文への敷居も下がった。この日は、平日ということもあってか宿泊客はわれわれ一組!。予約なしで家族湯に入れたのは大きな特典。そしてあまりにも静か。

食事も当然のように純和食で淡い味付けで全体的に上品にまとめられている。それはご当地ものとして出てきた神戸牛が悪目立ちするくらいに。玉ねぎソースの甘みはやや強いが、これは有馬の養蜂所のはちみつかと思われる。いかなごも出てきたので、女将さんにいかなご話でもきかせてもらおうかと思ったが、あまり気を引けず。こごみなどの山菜は、この山で採れれたものではないそうで、意外な気がした。山があるだけでは幸はないのか。神戸の中でも有馬はまた海側とは違った独特のアイデンティティがあるに違いない。ひょうたんは皿や酒器でなんどか目にした。豊臣秀吉がらみのことは他にもいろいろあるのだろう。夜、布団に入りながらテレビを観た。スイスの特集をしており、ちょうど家でつくったじゃがいもにラクレットチーズを溶かしたものが紹介されていた。