緊急事態宣言が出された翌日。直前に知らされたとおり、百貨店などは休業。映画館もミニシアター含めて休業。ディスクユニオンまでも休業。我々は普通に出社し段ボール箱の海に溺れる。夕食は王将の餃子でテイクアウトした生餃子を焼く。飲食店はまだやっている店が多い。

引き続きメルカリに出品。InstagramでもDMで海外へ売買を持ちかける。こんど韓国daeguへ行けるのがいつになるかはまだ見当もつかない。

自転車のスタンドが外れてしまったので職場の近くの自転車屋で直してもらう。初対面の店長のおどろくべき丁寧親切な対応がありがたかった。気づかずにいた機能についても指摘してもらう。工賃は110円。またなにか買いに行こう。夜はメルカリ出品に勤しむ。空気公団の7インチレコードは一瞬で売れた。

予定ではローマから大阪へ帰る日だった。金曜日。

はじめてインスタライブを使ってみた。ゲストもよんでみたが、スマホ同士の通信でも案外途切れず快調。視聴者数は合計22名。

いつもより多めの米を炊こうとしたところ、火加減を間違えてやや固いものになってしまった。きょうのたけのこご飯はメインの料理になるはずだったがこれでは気が引けるので、別の機会にとっておきたかったマグロの漬けを出して体裁をととのえる。よる、散歩がてら近所の中之島公園へ。桜は満開を迎えているが人はまばら。

重いけどキャベツ1玉買っていい?と聞いた艶めかしい女。ぷらら天満にて目撃。市場の人の数はいつもどおり。たけのこや、こごみ、富山のホタルイカなど購入。夜は4世帯でビデオ飲み会。

メルカリへの出品と発送作業。レコード1枚の送料が710円というのはかなり割高に感じるが、この状況では感謝するしかない。

エイプリルフールじゃない現実世界の4月1日は「1住所当たり2枚の布マスクを配布」に対する佐々木俊尚(と三浦瑠璃)の肯定的なリアクションに驚いた日。世の中、色んな人がいる。「いつもの献立がごちそうになる」の佐々木俊尚が好きでした。
富山氷見で買ったsays farmのシャルドネを軽く一本空ける。

わたくしの水戸時代 2016.7 – 2017.11

半年間限定の水戸勤務になりました。と書いてから、1年が経って、まだわたしは水戸にいる。何故だ?

当時の社長はしりぞき、その他もろもろ根本的な変更があり、もうなにもかも白紙になった。従業員は無力だ。そんな思いを噛み締めて暮らしていたのが去年。
その間、自分が都会育ちと思ったことはなかったけれど、これまでのあれが都会だったのだ…と、自覚せざるを得ない。結局僕なんかも都会育ちで ピコピコだった。

ただ、水戸はもちろん都会ではないけれど、何もないというほどではなくて、ときどき面白い店もある。ディープなソウルバーや、ジャズ喫茶、ヴィンテージオーディオショップ、信じられないほど豪華な出演者が演奏するライブ会場もあった。林正樹、大儀見元、村上ポンタ秀一。水戸芸で観たのはスガダイロー、山下洋輔。陶器に関しては笠間や益子が近いので、東京や大阪でも手に入らないものを作家から直に買えたりする。器好きなら笠間の火祭りは遠方からでも訪れる価値があるとお薦めしたい。

好きな場所が一つでも見つかると、街ごと好きになるような、そういう幸福な出会いで、一人ひとりの地図ができていくのだと思う。

これをCREA 東京ひとりガイド。「世界で一番楽しい街は東京でした」(2015年3月号)の巻頭エッセイに書いた松田青子にはロマンティックをあげたい。

いまはもう水戸の暮らしにもなれて、この環境でのスタイルも身についた。水戸、人がいねえ(笑)という初期段階のとまどいを経て、静かな町(赤塚)でおだやかな暮らしをしている。
足るを知り、物欲はしずまる一方。ただし酒の量だけは増えた。

そして2年目の水戸。まだしばらくは水戸です。