連休初日。とても天気がいい。市場に行こうかと思ったが、気力が湧かず一日部屋で過ごす。

短い靴下で快適な季節の到来。いちおう明日からGW。特に予定はない。メルカリで売れた本を1冊出荷。LEE KONITZ/WARNE MARSH のアルバムを3回繰り返し聴いた。新緑の季節によくあう。

富山の氷見のHOUSEHOLDという小さな宿

新婚旅行のイタリア行きがcovid-19の影響により不可能となり、国内旅行にきりかえたとき、最初に候補にあがったのが、オープン当初から気になっていた富山の氷見のHOUSEHOLDという小さな宿だった。最初に知ったきっかけは、仕事でホテル作りの参考になるようなものを探していたときに見つけたウェブの記事。そこにはわかりやすく書かれた宿のコンセプトと、静かなエリアに生まれた新しい息吹を感じさせる宿の写真が、若いオーナー夫婦の気持ちとともにのせられていて、自分は「ああ、これはもう呼ばれているな。」という感じで、心のブックマークにいれていた。刺さる人には刺さる記事からすこし。

”正面玄関”の観光ではなく、”勝手口”から始まる旅

家庭の、まちの中の日々の営みを「料理」を通して知り、楽しむ。旅先のホテルや旅館でプロのつくった食事を楽しむのもいいけれど、その土地の旬の食材を手に入れ、自分たちで料理する。HOUSEHOLDはだれかの家の勝手口から台所におじゃまするような感覚でまちを楽しんでもらうことがコンセプトの宿です。料理をすることそのものがこのまちの豊かさを一番味わえる。そう考えこの場所をはじめました。

なかなか挑戦的であり独創的である。そしてこれはオーナー夫婦以外の誰かの夢であり理想でもあるだろう。なんかこう初々しくって眩しくて少し危うくて勢いがあって、とにかくその人を動かす文章に打たれた。

と、多少構えて向かったHOUSEHOLDだったけれど、当日は近所の寿司屋で食って酔っ払ったままチェックインをした我々を、豪快なカジュアルさで迎えてくれた予想以上に若い夫婦に迎えられ(以下省略)

写真は突然の激しい雹が降ったのあとの屋上からの景色。氷見は富山湾と立山連峰だけでなく、濡れた瓦屋根に反射する町の光もまた代表的な景色なのだと思う。またいってみたいところです。

金沢の東南アジア料理の店「海月が雲になる日」

理想の場所をつくるために仕事をしている。そんな志をもったお店が旅行中は特に目につく。
富山の帰り訪れた金沢の「海月が雲になる日」もそんなところ。この東南アジア料理の店は、金沢の友人に教えてもらってから1年ほどSNSのアカウントをずっとみていたので期待値も高かった。料理の皿や食材のスタイリングがよいのはもちろん、定期的な告知の際に使われる画像も使い回しではない、お店の背後を取り囲むものが自然に出ていて興味をそそった。

当日は開店直後に一番乗りしたこともあり、この建物の中をうろうろしたり、意外と(?)気さくな店主といろいろと話すこともできた。食材や調理器具のことから始まって、近所の美味しいお店のことやら、大阪の中心地出身であるがあまり好きになれなくてここに居着いたことなどなど。 やがて予約客で席がうまり、各テーブルに料理が運ばれ、賑やかな時間が訪れるのかと思いきや、ただようのは静けさだった。これは客と店の非言語コミュニケーションの成立というべき充実した静けさ。緊張感と満足感で結ばれた食事の時間を深く味わった。今度は夜の食事にもいってみたい。一組しか取らないというが、その理由もいまはわかる。

今はテイクアウト営業をされているけど、そのパッケージもお店の世界観を保っていてさすがです。

海月が雲になる日