10年ぶりの歯医者通い。3ヶ月9回におよぶ通院がやっと終わった。

神経痛の原因が奥歯にあるような気がして歯医者をさがした。大阪の歯医者は初めてだったので、近所のものを調べたらやけにデザインレベルの高いサイトがあってとりあえずそこを選んだ。

真新しい病院、最先端の設備、レントゲン室、大きなディスプレイ、ガラス張りの診察室、若い女の先生と歯科衛生士。フロントもほぼ女性スタッフであり、全員が自分より若い。

京都の地元にいたときに通っていた歯医者は、小学生の頃から集団診察をしてもらったベテランの町医者の先生(男)だったので、その違いに不安を感じたり、歯科医院のレビューにいくらか不安を覚えたが通わないとはじまらない。

最初のヒアリングをうけてレントゲン。初診で発覚した虫歯と親知らずの対策。これからのプランの提案を受けて一度通い出すともう否応なしに通い続けないといけない雰囲気になってしまった。まずは全4回におよぶ麻酔をした歯石取り。虫歯治療。この間、徐々に初期の不安はうすれ、そのうちに冗談を交えて話すような関係にまでなり、芽生えはじめた信頼感。ついに親知らずの抜歯を決意するまでになった。

下の歯の抜歯はやはり難抜歯となり、うーんなかなか抜けないですね。グッ、グッ、うーん。割って抜きましょう。と探り探りの様子が恐ろしかったが、強い麻酔をかけられたわたしは止めてくれ!というわけにもいかず、信じて耐えるしかなかった。その間、これからの人生、大きな病気をしたときにはきっと自分より若い先生に命を預けるのだろう。という思いにも浸った。

抜歯は無事終わり痛み止めを飲む日々を経て術後の抜歯も終わった後は続いて上の親知らずも抜いた。こちらはあっというまで手術もなし。これで10年ぶりの歯医者通いは3ヶ月9回で終わった。親知らずの抜歯や歯茎からの出血という長年の懸念事項からすっかり開放されたのは気持ちがいい。

その後、友人知人に定期的な歯医者通いをしているか?と聞いてまわったところ、かなりの確率で通っているという返事があり驚いた。もちろん絶対にいきたくない。という人もいたが少数。
私はもうすっかり歯医者の信者になったので、歯磨きのあとはフロスもするしこれからの定期検診にも通う。高額なインプラント治療は避けたいという老後を視界にいれたケアが始まった。

山行った河川工事のあとの後遺症。筋肉痛。運動不足ではないつもりでいるが、使った筋肉の場所が違いすぎる。

今日の仕事は山にできたドブ池を流すための川をつくる作業。明日は絶対に筋肉痛になるのだろう。と思いながらシャベルを振り回す。

公募サイトで集まったイラストの品質が高くて感動した。一枚のイラストを観るだけでもたくさんのことが伝わってくる。一枚のイラストを描くことは、歌がうまいとか、演奏がうまいとか、喋りがうまいとか、そういうものと同じ一芸の表現。複合的な表現を売りにするデザイナーにはないイラストレーターの一芸へ尊敬の眼差しを。力量は発注者の自分には特にはっきりと伝わってくる。九州では駅が冠水するほどの大雨。大阪もよく降った。

アオツキ書房で開催の「円盤のレコード寄席 人生編」へ。はじめてきいた田口さんの話はおもしろくうまかった。レコードとの接し方が凡百のマニアやDJとはまったく違うのは、音楽だけに接しているのではないところ。「レコードを並べることから見えてくるもの」という独自の審美眼はあらゆるレコードからストーリーを紡ぎ出しだれもが気づかなかった驚きの事実を出現させてしまう。おそろしく深い探究心、研究心、そして書籍にアウトプットする企画力と文章力。レア盤ばかり買っているような、いい音楽だけを聴いているなんていう態度が恥ずかしくなってくるオリジナリティ。赤星建彦の名前を知ったことで、これから影響を受けてしまうだろうな。ウェブにはない知見だらけで大変刺激を受けました。

毎回テーマに沿ったレコードを聴き、かつて人々の暮らしの中にレコードがどのように存在していたか、その広大な裾野を追体験するイベント「円盤のレコード寄席」。22回目のテーマは「人生」です。
レコードを並べていたら見えて来た人々の人生。レコードは作るとクセになる。市井のレコ作りに勤しんだ人々から、音盤作りが人生になってしまった知られざる業界裏街道の人生まで。沖縄編やムードコーラス、タンゴ編にも通じる”人々”の話。

朝夕はすっかり涼しくなった。定時退勤後はたまたま大阪にきていた母と彼女と食事。誕生祝いもできてよかった。食事は靱本町shin-pei、花束は北浜のLOTUS flowersで。

日曜日。朝からシネ・ヌーヴォで篠田正浩監督作品を2本連続鑑賞。最初にみたのは「私たちの結婚」。切実な貧乏暮らしの中、なげやりな台詞が可愛くていじらしい倍賞千恵子に心揺さぶられる青春映画名作!。つづいての「桜の森の満開の下」は都人を襲い男を殺し女を女房にする山賊による狂気と血にまみれた恐怖映画と思わせて、男は妙に都へのコンプレックスを抱えており簡単に女に支配されてしまうお人好しの映画。難しい顔をして観てはいけない。桜の場面は奈良の吉野。
靭公園の砦でラーメンと食後にソフトクリームまで食べたあと、淳久堂に寄り、東洋陶磁美術館へ。日本フィンランド外交関係樹立100周年記念特別展「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア―コレクション・カッコネン」。動物をデフォルメしたフォルムがおもしろい。帰りはワイングラスとそれに合うスパークリングワインを買い、ゴカンではチョコレートケーキとエクレアを買って帰宅。夕食はカレー。

歯医者の治療が全て終わった。なんやかんやの治療により、出血率が2%に下がったのは大きな改善。プラーク率はまだ改善の余地はあるが、問題ない範囲だろう。隔日でフロスもつかっているし。これからは定期検診となり、つぎは三ヶ月後。特に問題がない限り、歯医者ではなく歯科衛生士との付き合いになる。

天満市場で買い物をして昼は豪勢な週末刺し身ランチ。夜はその残りのタコでスパゲッティ。