お昼頃の市場の客がいつもより明らかに少ない。うっすら漂う緊張感。お店の呼び込みの声も心なし控えめ。帰宅して再び買い出しへ。P&Bからビッグビーンズ、パリアッシュ。Calo Bookshop and Cafeでは夏葉社の新刊「私の文学渉猟」曾根博義と「彗星の孤独」寺尾紗穂のサイン入り本を買い、よりすぐりの凝ったフリーペーパーも同封してもらう。

初めての対面授業から帰ってきた妻との夕食は太刀魚の刺し身とバジルペーストとバゲットと生ハムをメインにワインを飲む。

プカプカ「西岡恭蔵伝」中部博を読了。西岡恭蔵についてまとまった文章を初めて読むことができた充実の一冊。帯文句は「俺のあん娘」はもうひとりいた。もちろん西岡恭蔵はプカプカの人であるので、もっとも興味を引くところでもある。ただ、1999年に50歳で亡くなったとはいえ、プカプカ以外の業績についてあまりにも語られる機会が少ない人でもあったと思う。キングーーベルウッドの三浦光紀の働きによる東京でのアルバム制作、細野晴臣とのアルバムの共作、KUROとの結婚、矢沢永吉への歌詞提供での成功という流れを経て作られた傑作「南米旅行」までの快進撃が輝いていたにも関わらず。本書は、西岡本人以外の関西フォークをとりまく人間関係や、喫茶店ディランについての背景もくわしく、URC秦政明への不信感などは丁寧な取材があってこその記述。また、紙面は充実期だけに割かれているわけではないのが西岡恭蔵伝としてのおもしろさがある。人生のどのパートも密度は濃く西岡恭蔵の魅力がある。阪神淡路大震災後、神戸のチャリティーコンサートではフォークシンガーとしての矜持を見せていた。

22日未明、日向灘を震源とする地震があり、大分県と宮崎県で最大震度5強を観測しました。