小津安二郎「お茶漬けの味(1952年)」の中で、酒を飲みながら親子ほどの年の離れた者と一緒に歌うシーンが2回あった。スーツを着た男同士がBARで、浴衣を着た四人の女が旅館で。いまだと動画ライブでもはじめるだろうか。
でてきぱきしたキレのいい会話はアップでの切り返しが多用されていた。セリフの魅力も相まって引き込まれる。
戦争経験がまだ色濃く残る時代。ラーメンを食べる若者も麺を噛み切り落としながら食べていてぎこちない。笠智衆も若い。

P&Bでパンを買う。店主にちょっと元気ない? と言われたが、いま小津安二郎の映画を観た帰りで、娘が嫁に行ってしまった父親の気持ちに浸ってるその余韻ですわ。と返す。