午前10時から上映の山中貞雄監督作品「河内山宗俊」を観にシネ・ヌーヴォへ。チケット売り場は行列ができていた。朝に強い老人たち。みな予約はせず当日チケットを買う人が多い。われわれもそんな中年。客席はまたしてもほぼ満席。1936年の作品は残されたフィルムのコンディションが悪いため、内容がはっきり聞き取れない箇所もあったが、コメディタッチの時代劇なので動きを見ていればだいたい分かる。物語は結末を見せないままやや唐突に終わる。会場を出ると次の怪獣特撮映画の上映を待つ人たちで山中貞雄以上の行列ができていた。

昼食は気になっていた大連閣へ。昭和の雰囲気が色濃く残るカウンター6席だけの家庭的な雰囲気を持ちながら、ほんのわずか緊張感も併せ持つ奇跡の店。常連らしい婆さんがお店の水槽をみて「金魚にオスとメスってあるんか?」ときいたときには「しらん」とピシャリ。2回笑った。餃子は注文が入ってから皮をこねて餡をつつんでいることに驚く。餃子の味は強めにつくられていたが、ラーメンのスープは薄味なので、餃子を食べつつ、スープとビールを交互に飲みながら完食。料理単体の味をどうこういうよりもお店の世界観に浸るのがいい。また訪問したい。

弁天町まで歩き、環状線に乗って福島駅下車。歩いて中之島美術館へ。こみあう岡本太郎の展示会をすりぬけて、「大阪の肖像(2)」へ。後半の時代は明治から現在。なつかしい家電をみたり、親族がつくった福助のポスターを偶然発見したり。