金沢2日目。21世紀美術館は朝の開場直後から激混みでチケットを買うだけで50分待ち。でも実は事前にコンビニで発券できるというのはもっと知られてもいい。来場者のほとんどは21世紀美術館のブランドに魅せられてきた若い人がおおく、展示内容と客層の筋がそぐわない雰囲気があるが、興味を持っていない人にも未知の世界を見せることができる美術館の価値は、あとあとになって効いてくるもの。

「粟津潔 デザインになにができるか」。粟津潔について、もういちど興味を持ったのは、篠田正浩監督の映画で人形浄瑠璃などの美術担当していたことがきっかけ。それまでは強い興味をもつことがなかったのは、ベン・シャーンや横尾忠則、杉浦康平などの粟津潔が影響を受けたアーティスト、作家、デザイナーを知るにつれ、そちらほうが面白く感じられ、粟津潔はヴィジュアル表現の革新者というより当時の流行を後追いしたものとして映るようになっていたから(粟津潔は1929年生まれというのに!)。2019年の視点からみると、オリジナリティがあるようなないような、作品単体での印象ではその他多くの亜流に見えてしまっていた部分が自分にはあったところに、「社会をいかにデザインするか」という視点から、粟津のデザインの本質を明らかにするもの。という展示会の切り口は、これまでの見方を一新するものであった。図録があったらぜひ買いたかったが今回はなし。でも粟津潔作品にはまたすぐに出会うだろう。

2週続けて旅行。サンダーバードにのって彼女と4年ぶりの金沢へ。始発の大阪から終点の金沢へ。金沢駅は東京から新幹線で来た人と合流してたいへんな賑わい。どこへ行っても人が多いのだろうな。という気がしていたが、地元の友人におしえてもらった食事・喫茶ニワトコはお昼時というのにも関わらずおどろきの静けさ。窓際の席でゆっくりと食事ができた。対象的に、向かいのお店では年に一度のセールというので大変な賑わいを見せ、通りに面した駐車場の入れ替わりも激しく入れ替わっていた。車はすべて金沢ナンバー。地味そうな書道のお店が何故?。食後、ふらふらと立ち寄ってみた文真堂というお店は、おそろしく高級な紙や硯を扱う、間違いなく日本トップクラス品揃えを持ったところであった。1万円以上する用紙が飛ぶように売れている。こんなものを買う書道家が金沢にはたくさんいるのか。この熱気に押され、われわれもついつい書道初心者セットをそろえてしまう。書道の紙は湿度の関係で、鳥取など、一部の地域でしか生産できないそう。そんな若い男性営業の熱意に溢れた話もおもしろく、笑いもはさみながら長々と聞きいる。20万円くらいする硯の価格の理由も教わる。この業界はもう廃れていくだけの斜陽産業ですよ。という疲れた白けた老人の言葉が聞こえてくるかと思っていただけに、鮮やかな衝撃。
レジにはお買上金額ごとのプレゼントが掲示されており、最上位のものはすき焼き2人前。対象金額は10万円以上。5万、3万と続くが、これだけでもお店の客単価を伺わせる。

退店後は、前回閉店直後で行けなかったCazahanaへ。外観の雰囲気も味わい深いこの古い建物はもとは旗を作っていた場所とのこと。内装の演出も空間をたっぷりつかった贅沢なもの。花の飾り方も真似したくなるようなものばかり。店主によると近所でひろってきたものも含まれているという。商品は好みのヴィンテージ品が山盛りで、ああ金沢旅行は早くも買い物旅行になりつつあるな。と思いながら、九谷焼の小皿と花生けにも使えそうなドイツのガラス器を買う。

夜はCazahanaで教えてもらった大関で軽く飲んでから金沢の友人家族と一緒に食事。3人の子供も一緒に深夜まで過ごす。

点字が作成できるテプラがあると知る。でももう廃盤。中古市場では結構人気。ジムに寄って餃子を買って帰る。

昼休みに野ばらを購入。こう見えて名前は野バラ。地植えにしていると身は赤く色づくという。

屋根もない駐輪場が月額1,000円なんてやはり許せない!という、日中の雨。沖縄にいる同僚は台風に怯えていた。

お腹が痛くて朝6時起床。韓国から帰ってきた当日から次の日まではだいたいこんなかんじ。外は夏がもどってきたような暑さ。汗だくになりつつ、なにかかゆいなとおもったら、想像以上に足首が蚊に刺されていた。済州島の蚊。
連休明けの仕事が溜まっているので、さっさと片付けたかったが、雑用のような確認作業に追われていまいちはかどらず。マシンジムのあと、炭火焼鳥 なかおで夕食。きょうは予約なしでもタイミングよくはいれた人気店。さすがにおいしい。
また水戸への出張予定がはいる。今年2度目。

済州島最終日。朝は雨降っていたが、昼からは晴れ。はじめて青空をみた。タクシーにのってカルグクスをたべ、ビーチを2箇所まわる。もう海で泳いでいる人はいない。最後に食べた海鮮の店でイルボンがどうのこうのと話しているのに気づく。この気まずさは初体験。ジェジュ空港の大阪行のカウンターは空いていた。乗客に日本人はほぼおらず、混在しているのは中国行きへの便。
関空では韓国アイドルグループのMONSTA Xの来日と遭遇した。夕食は新町で。ここは前に彼女が住んでいたエリア。キャリーケースではなくリュックでの旅行だったこともあり、この時点で日常に帰ってしまった。